旬の食材は、大地のエネルギーをたっぷり含み、栄養成分が豊富で、その時期に合わせて、私たちの体調を整える働きがあります。
「食欲の秋」といわれるほど、秋は美味しい食材が豊富な季節。
秋の食材は、夏の暑さで弱った胃腸を回復し、体を温めてくれる効果があります。
そして、食べ物のもつ栄養素は、単体でなく、組み合わせることによって一層力を発揮します。
そこで今回は、秋の旬の食材の特徴と『栄養価UPのオススメ調理法 12選!』をご紹介します!
・さつまいも
【皮ごと】
食物繊維、ビタミンが豊富。
特にビタミンCが豊富で、皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。
特にいも類に含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくく、じっくり加熱することで甘みが増します。
ビタミンCは水に溶けやすいという性質があるので、皮ごと食べる「焼いも」が効率よく栄養素を摂取できます。
【さつまいも×緑黄色野菜】
さつまいもはβ-カロテンを含む緑黄色野菜と組み合わせることでビタミンC、E、β-カロテンの3大抗酸化ビタミンがそろいます。豚汁(+人参)や、炊き込みご飯(+かぼちゃ)にするのもおすすめです。
・里いも
【ぬめりは落とさない】
水分が多く、いも類の中では低カロリー。里いもの粘りは「ガラクタン」という成分によるもので、血中のコレステロールの付着をケアし、血圧を下げる効果があると言われています。
里いも特有のぬめりに栄養が豊富にあるため、ぬめりをおとさないように調理するのがポイントです!
・きのこ類
【きのこ×炭水化物】
どんな料理に使いやすい万能なきのこ。
きのこに多く含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を抑えるため、米や麺類などの炭水化物との組み合わせに適しています。
【きのこ類×小魚・乳製品・大豆製品・海藻類】
きのこ類に多く含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を高めます。
グラタンやひじき煮、ごまやちりめんじゃこを使った和え物に加えるのも◎。
しいたけは日光に当てるとビタミンDに変化するエルゴステロールを多く含むので、調理前に天日干しするのと◎
・なす
【なす×オイル】
抗酸化作用を持つアントシアニン(ポリフェノール)や食物繊維を多く含みます。
なすは油の吸収が良く、一緒に摂取すると血中コレステロールを抑制すると言われています。
なすは皮に栄養があるため、皮ごと良質なオイルで炒めると◎
・かぼちゃ
【かぼちゃ×オイル】
「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」といわれるほど、栄養価の高いかぼちゃ。βカロテン、ビタミンE、ビタミンCを豊富に含みます。
βカロテン、ビタミンEは油と合わせることで吸収率がアップすると言われています。
軽く炒めて、なすやきのこ類、リコピンなど抗酸化ビタミンが豊富なトマトと煮込む「ラタトウイユ」で秋の抗酸化煮込みが出来上がり!
・柿
【柿の葉】
1個で1日分のビタミンCが摂れるといわれているほど、ビタミンCが多く、みかんやレモン果汁よりも多く含まれています。
二日酔いの予防にも効果があるといわれていますが、飲酒の前に食べておく方が効果が高いそうです。
実だけでなく葉にもビタミンCが多いため「柿茶」もオススメ。
・梨
【梨×肉類】
アスパラギン酸、クエン酸、リンゴ酸など疲労回復作用のある酸が豊富に含まれます。
梨はたんぱく質の分解酵素を含むので、肉類の消化を助けます。韓国料理では肉の下味やユッケの添え物にも梨が使われることも。
・ぶどう
【皮も種も】
糖類の中でもっとも吸収のよいブドウ糖が主成分のため、疲労回復に最適な果物です。
ただし、血糖値も比較的早く上昇するため食べすぎには注意が必要です。
抗酸化作用のあるポリフェノールは、皮に多く含まれているので、皮ごと摂ることが理想的です。
種も栄養価が高いため、種を使ったグレープシードオイルを使うこともオススメです。
・栗
【渋皮は剥かないで】
栗の渋皮にはポリフェノールのタンニンが含まれ、ガン予防や動脈硬化予防に効果が期待されているそうです。
抗がん物質として注目されているタンニンは、渋皮に含まれており、剥いてしまうのは勿体ないので、甘くおやつにもなる「渋皮煮」がオススメ!
・ぎんなん
【銀杏×卵】
古くから滋養強壮に効果があるとされ、漢方薬にも使用されてきました。抗酸化作用があるβ‐カロテンやビタミンC、ビタミンEのほか、カリウムやマグネシウムなどのミネラルをバランスよく含みます。
銀杏はビタミンEの多い食材と合わせると、抗酸化力がさらに高まります。
茶わん蒸しには銀杏がお決まりですが、栄養的に良い組み合わせなんですね!
※食べ過ぎると中毒を起こす人もいるため1日5~10粒を目安にお楽しみください。生で食べると中毒を起こすことがあります。
・鯖
【鯖×酢・緑黄色野菜・オリーブオイル】
9~10月頃に獲れるものを「秋鯖」と呼び、脂がのった秋鯖は、DHAやEPAをより多く含みます。
鯖に含まれるオメガ3-不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは熱で酸化しやすいため、抗酸化力のある酢と組み合わせた「しめ鯖」がおすすめです。
鯖のオイル煮、緑黄色野菜たっぷりの鯖カレーも◎。
・秋刀魚
【煮汁をたいせつに】
脂には動脈硬化や血栓予防、抗アレルギー効果、生活習慣病予防にも役立つDHAやEPAが多く含まれ、たんぱく質、ビタミンB、カルシウム、鉄分など栄養バランスも優れています。
鯖同様、秋刀魚などの青魚の脂には、DHAやEPAが含まれていますが、焼くと良質な脂が落ちてしまいます。
そのため、「刺身」「炊き込みご飯」「煮魚」にするのがおすすめです。
煮魚の場合、煮汁に多く良質な脂が流れ出てしまうため、煮汁を使った炊き込みご飯や生姜焼きの漬けダレなど有効活用して摂っていきましょう。
秋の食材に多く登場する「抗酸化」ですが、美肌などのエイジングケアだけでなく、体の内側から老化を予防しケアする力が期待されています。夏に受けた紫外線のダメージや、寒暖差による疲れを回復することも抗酸化作用のひとつです。
また、秋の食材には「免疫力」を高めるものも多く、毎年冬に流行するインフルエンザなどの事前対策としても有効と考えられ、まさに秋の食材は理にかなっているといえます。
旬を迎える食材は美味しいですし、栄養や働きを知って調理をすることで、秋の味覚をより楽しむことができますね♪
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